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第98回Academy of Prosthodontics (AP)

さる2016年3月29日から4月2日の間、アメリカでも有数の避寒地、加えてゴルフ愛好家にとってのメッカの一つとして知られるカリフォルニア州パーム・スプリングスにおいて、第98回Academy of Prosthodontics (AP)が開催された。

学会は歯科補綴学の革新をテーマとし、現代のセラミックス素材とCAD/CAM技術を応用したデジタルテクノロジー、オーラルリハビリテーションにおける脳適応性についてなど最先端技術を紹介しながらも、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダにおける国別の補綴学教育の違いについて各々示され激しく討論されるなど、世界の歯科学の本幹を支えてきたこの学会が、基礎となる歯科教育に対し非常に高い重要性を感じていることが示された。私自身大変印象深く心に残る講演となったのは、Stephen M. Parel氏による「無歯顎治療の義歯構造と補綴学的考え方の回顧」であった。歯科補綴学のこれまでの発展過程では、幾多の素材、構造による有床義歯が適用されてきた。しかしながら、口腔癌、外傷、極度に萎縮した顎骨などの要因によって、可撤性有床義歯の使用が困難な患者に対する治療法として、オーラルリハビリテーションを目的としたインプラント補綴治療が発展してきたことが示された。インプラント治療が歯科補綴学においても重要な地位を占めていることを再確認させられる講演であった。

学会全体を通じて、各国の様々な部門の著名なリーダーたちが1メンバーとして集まり、世界の歯科界の将来について真剣に討論する非常に水準の高い会議となった。

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図1;会場となったThe Westin Mission Hills Golf Resort & Spa内のAcademy hall。
図 2 ;Academy of Prosthodontics, 98th Annual Scientific Session; 4日間にわたり、講演はこの会場でのみ行われる。世界中から1線で活躍する各分野のリーダーが会する。

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図3;APプレジデント就任式典パーティ
図4;Active fellowであり、世界的に著名なUCLA教授西村 一郎氏と筆者。

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